普通種の魅力
私の好きな鳥はサンコウチョウである。あの紫黒色と胸の白色、そしてあの自分の体の二倍三倍もある尾がとても綺麗でかっこいいと思う。しかし彼らは本州方面しか生息していないため、この北海道では見られない。ヤマゲラやシマフクロウなどこちらしか見られない鳥もいるが、サンコウチョウが見られないのはちょっと残念だ。
たまに、珍鳥のクサチヒメドリが出たとか、ホシムクドリがいるとかの情報がでる。日本人にとってはすごく珍しい鳥であり、鳥屋としてはぜひ見たいと思う。しかし、日本では珍鳥でもアメリカやアフリカでは普通種であり、イエスズメなどは良い例である。
では、日本の普通種はどうだろうか?スズメ、ハシブト・ハシボソガラス、ヒヨドリ、メジロ、ムクドリ、キジバトなど、これらが代表的である。公園を歩いている時、小鳥が目の前を横切って何だ!?と急いで双眼鏡を当てて、見てみるとなんだスズメか・・・と、見るのを止めてしまい歩き去ってしまうことなどがよくあると思う。
以前、タカ類に襲われて落ちたと見られる無数の小さな羽を拾ったことがある。羽を見て、なんていろいろな色をしている羽なのだろうと思い調べたところ、なんとスズメであった。図鑑などで見ていて、羽の色などは理解していたつもりだった。ましてや、一生の中で一番見てきた鳥であろう。しかし、直にすぐ近くで羽を見てみると一枚の羽に白、黒、茶、更に薄い茶や濃い茶など何色もあった。
ハシブトガラスでも真っ黒と思われていた羽色は光が当たると、青や緑、紫などカラスってこんなに綺麗な色をしていていたのかと思わせてくれる。
キジバトの求愛行動など、初めて見たときは思わず笑ってしまった。一般的説明には、オスはメスにおじぎをするような動作をしながら「くーくっ、くーくっ・・・」と鳴いて求愛する、とある。図鑑で読み、どんな感じかと実際に見に行ってみた。その時の現場は、フェンスの上に三羽のキジバトがおり、そのうちの二羽がメス、一羽がオスだった。オスは片方のメスへおじぎ行為をし始める。しかし、あっさり逃げられ、失敗。そこでオスはもう一方のメスへおじぎ行為をする。もうこの時点で、おじぎではなくメスにつがいになってくれと土下座しているようにしか見えない。そして、また逃げられた。相当ショックだったのか、オスは五分間微動だにせずにその場に止まってしまっていた。そして、しばらくすると飛び去っていった。これだけでは本当にふられたのかどうかわからないが、このキジバトのオスには人間的なものをすごく感じ、面白かったのだ。
めったに見られないような珍鳥を見るのもとても面白いことだと思う。しかし、このように日ごろ身近におり、見慣れている種でもじっくり見てよく観察することによって面白く、魅力的であることがわかる。図鑑に書いてあったけど実際に見てみるともっとよくわかったり、自分の知らないどんな小さなことでも発見するととてもうれしく、更にその鳥について興味が出てきたりする。これらはとても良いことであると思う。そして、それを一番見つけやすいのがまわりにいる普通種なのである。だから、身近な鳥だといって素通りし、見なくてもいいと思っていても見ていない所もあるし、実は知らないこともたくさんあると思う。普通種にはこんな魅力があるのだ。
