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Sapporo Chapter of Wild Bird Society of Japan

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渡り鳥の行方

札幌支部副支部長 猿子正彦

先日、久しぶりにウトナイ湖に行ってきました。湖畔には20羽ほどのオオハクチョウ、コハクチョウにマガンとヒシクイが2羽ずつおりました。そのヒシクイの首には「68C」と刻印された赤い首輪が装着されていた。これは、どうやらロシアで標識された個体のようである。

・北海道の夏鳥たちはどこにいるのか

ここで手元にある標識調査資料から北海道内で標識された鳥たちが冬は、どこに行って越冬しているかを調べてみた。

北海道で標識放鳥され海外で見つかったものと海外で標識放鳥されて北海道で見つかったものと2種類のデータを抜き出してみた。

初めが標識された場所、矢印の次が回収された場所と種名(カッコ書き)です。

  1. 北海道小樽市⇒ベトナム国タイニン州カツーム(ショウドウツバメ)
  2. 北海道石狩市⇒ベトナム国タイニン州(ショウドウツバメ)
  3. 北海道稚内市⇒オーストラリア国ビクトリア州南部(ミユビシギ)
  4. 北海道根室市⇒オーストラリア国ウェスタンオーストラリア州(トウネン)
  5. 北海道苫小牧市⇒フィリピン国ルソン島(アカハラ)
  6. 北海道根室市⇒フィリピン国ルソン島(アカハラ)
  7. 北海道音威子村⇒台湾(アカハラ)
  8. 北海道苫小牧市⇒フィリピン国ガガヤン県ガタラン(ノゴマ)
  9. 北海道足寄町⇒中華人民共和国海南省海口市(クロツグミ)
  10. 香港カデューリエファーム⇒北海道釧路市(センダイムシクイ)
  11. オーストラリア国ウェスタンオーストラリア州⇒北海道紋別市(オオソリハシシギ)

ここで私が特に知りたいのが北海道で繁殖した夏鳥の越冬地です。

ショウドウツバメは2000年と2001年に続けて、ベトナム国の首都ホーチミン市から北西に90キロほどのところで、ほぼ同じ地点からの回収が報告され、新聞にも取り上げられて、ご存知のかたも多いと思います。

日本に来るシギやチドリも冬は大半がオーストラリアに行っているのが分かります。

トウネンは全長15センチとほぼスズメくらいのサイズの鳥ですが小さくても、ここから直線で8000キロの彼方まで飛んでいくのだからすごい飛行能力ですね。

また、アカハラは、どうもフィリピンの島々が越冬地のようですが、データ数も少なく断定できるほどではありません。
また、最近ではDNA解析といいまして、遺伝子の型が判明すれば、どの辺に生息していた個体なのかも分かる時代になってきました。

これからも、この越冬地の謎も解明される時がくるでしょう。

支部報「カッコウ」2003年10月号より