野鳥受難
新しい年があけて2月、石狩にある発電風車でオジロワシが衝突死していたというニュースが飛び込んできた。やはりというか、起こるべくして起きてしまったなと感じた。札幌支部も毎年参加している「オオワシ・オジロワシ一斉調査」では近くの観察点でこれらのワシが観察されており、風車を建設する前に札幌支部を訪れた北海道グリーンファンド(建て主)にはその旨を伝えていた。今回の衝突事故以前にも、苫前で2件、根室で1件オジロワシが発電風車と衝突死しており、「環境にやさしい」はずの発電風車は、少なくても野鳥には巨大な凶器になっている事実にもっと眼をむけるべきだ。
そうこうしているうちに、今度は知床のオホーツク沿岸から油汚染で死んだとみられる海鳥の死骸が広範囲で発見された。サハリン東岸では石油天然ガス開発が進み、油流出事故が懸念されていたなかでの油汚染事故であったが、汚染源は後にC重油と特定された。その後もオホーツク支部などの踏査がつづけられ、なんと5千羽を越えるウミスズメ類ほかの死骸が回収された。97年に起きたナホトカ号の事故では、6千キロリットルの重油流出で千三百羽の海鳥が死んだことをかんがえると、今回の油汚染の規模がいかに大きいかがわかる。打ち上げられた死骸を食べたとみられるオオワシに二次被害がでているのも深刻だ。
現在まで今回の油汚染の原因は不明だという。しかしオホーツク海北西部起因の事故結果は海流、あるいは流氷とともに北海道に必ずやってくるのがわかった。昨年11月中国吉林省で化学工場が爆発しニトロベンゼンなど100トンが松花江に流出した。この川はアムール川第一の支流で、ご存知のようにアムール川はサハリンの北でオホーツク海に注いでいる。中国、ロシア当局は薄まるから問題なしとしているが、このような牧歌的な対処しかできない国を「風上・上流」に持つ私たちは、たまらない気持ちになる。
そしてスズメである。1月ごろから「スズメが少ない」という話が聞こえてきたし、事務局に多くの問合せもあった。しかし何十という死骸が見つかったと新聞で知り、うーんとなった。こうした事実を前にすると、常日ごろスズメを視野に入れていなかったことに気付く。4月13日現在、上川支庁の集計で760羽という数がでている。ウィルスや寄生虫は確認されず原因不明ということだ。餌台を置いている家庭で多くの異変が確認されているが、そのあたりに原因の手がかりがないだろうか。
スズメのケースはわからないが、これら野鳥の受難は人間の活動に起因しているのはまちがいない。人と野鳥の共存がいかに難しいことであるか、また私たちに何ができるのかをあらためて考えざるをえないのである。
