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Sapporo Chapter of Wild Bird Society of Japan

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米子水鳥公園における環境教育活動

米子水鳥公園指導員 桐原佳介(日本野鳥の会鳥取県支部)

環境教育は、最近になってその重要性が注目され、文部科学省も「環境の保全のための意欲の増進及び環境教育の推進に関する法律」(略称:環境保全活動・環境教育推進法)を制定するなど、全国的に活発になってきています。
「環境教育」と一口に言っても、非常に広範囲な活動を含んでおり、自然環境や野生生物の保全、ゴミの減量とリサイクル、水、エネルギー、民族、文化、貧困の問題など、挙げるときりがありません。

環境教育は、なぜ必要なのでしょうか。
それは、私たちが地球上で生き続けていくためには何が大切なのかを知るためです。私が勤務している米子水鳥公園では、主にコハクチョウを中心に水辺の生態系をテーマとした環境教育活動に取り組んでいます。

米子水鳥公園は、コハクチョウの集団越冬地として西日本最多の飛来数を誇り、毎年多くの人々がハクチョウの群れを観るために訪れます。
コハクチョウは、米子水鳥公園のシンボル的存在であり、設立されたきっかけもコハクチョウの塒(ねぐら)の保護です。

ハクチョウは、あまり鳥に関心がない人たちにも認知度が高く、可愛がられる存在であり、多くの人をひきつけるカリスマ性のある野鳥です。
そのため、環境教育のテーマとしても大変効果的です。
米子水鳥公園では、コハクチョウを取り巻く自然環境を紹介し、コハクチョウが生きていくために必要な要素は何かを普及啓発しています。

特に、地元の小学生に対しては、水鳥の絵と作文コンクールや子ども野鳥クラブなどのイベントや、コハクチョウクイズなどを通してコハクチョウへの関心を高め、コハクチョウが生きていくために必要なことの啓発に力を入れています。

もうひとつ重要なのは、ボランティア活動です。
米子水鳥公園では、米子水鳥公園友の会をはじめ、地元の小中学生や企業によるボランティア活動が活発に行われています。
ボランティア活動では、主に水鳥の生息環境の保全を目的とした草刈りや穴掘り、水鳥が休むための島を池に作ったりしていますが、汗をかきながらこれらの作業を体験することで、自分が「水鳥の飛来地の保全に参加している」という実感が得られ、参加している方々の自然環境の保全に対する意識の向上につながっていると思います。

野鳥は、生態系のなかで中位〜上位に位置する生物であるので、野鳥が生息するには、非常にたくさんの環境要素が必要です。
野鳥にとって住み心地が良い環境は、私たち人間にとっても健康に生活できる環境です。
野鳥をはじめとする様々な生物たちと人間とが共存していく方法を探していくことが、野鳥をテーマとした環境教育の役割だと思います。

支部報「カッコウ」2004年12月号より