北ベトナムで鳥、花そして虫
北海道の冬鳥もいいのですが、寒くなると僕は渡り鳥のように南下します。でも繁殖 ・子育てのためではありません。熱帯や亜熱帯のあのムンムンした湿度は、湿式サウナのようなもので、冬が近づくと無性に恋しくなります。 そんな訳で昨年の11下旬にベトナム北部の鳥見ツアーに参加しました。
鳥見ツアーでの僕の流儀は、鳥見仲間に紛れ込んで樹上・樹幹・雑木林・道端の鳥を見ながらも樹の花、草花、昆虫を探し、写真も撮りながら目一杯楽しむことなのですが、ジグザグ行進、行きつ戻りつの行進をしながらも視線は上中下に目配せし、時には中腰、時にはしゃがんで写真を撮り、それもシャッターチャンスを逃すまいと無呼吸で頑張るため、ツアー前に必死で蓄えたエネルギーをどんどん使い果たすハメになります。体力はまあ、5日も持てばいいところでしょうか。
さてベトナムでの探鳥は、ハノイの街の雑踏に隣接する「 植物園 」を皮切りに、「 クックフォン国立公園 」(野幌森林公園に山林を加えたイメージ)、「タムダオ国立公園」(共産圏の高級官僚の為の高地リゾートか)の3ヶ所だったのですが、総じて鳥は遠いうえ警戒心が強く、個体数も少ないことから写真には苦戦しました。実は今回のツアーでは鳥 ・花 ・虫の写真を効率よく撮る方法として、樹の花をじっくり狙おうと目論んでいたのですが、乾季のせいか都合よく咲いてなく完敗。でも鳥は来ないにしても、高木に着生ランが見られたのは収穫でした。
ツアーでの鳥確認種は 77種ですが、鳥集中度 1/3の僕にも見れた鳥は、キゴシタイヨウチョウ、コンヒタキ、ムナグロアカハラ、ヒメフクロウ、アサクラサンショウクイ、クロウタドリ、コウラウン、シキチョウ それに札幌でも見られる クロツグミ、ルリビタキ、ビンズイ 位で、大半は鳥は一瞬のうちに視界から消えていきました。

掲載の写真は、ハノイ植物園で見た「オオトモエ(威嚇目玉模様のある蛾)」を狙っている「コンヒタキ」ですが、僕は熱帯・亜熱帯の自然で面白いのは、虫の擬態ではないかと常々思っています。「オオトモエ」のほか、真っ赤な蜘蛛にそっくりのカメムシ「アカヘリサシガメ」、危険を感じると葉っぱのふりをするキリギリスの仲間「クサキリモドキ」、羽裏がこの葉そのものになる蝶「イワサキコノハ」、そしてマダラチョウに真似している多くの蝶たち、皆ある種の擬態と思われます。虫達は鳥やトカゲやカマキリなどに食べられない様に、まずく毒のあるものに化けているのか、神のみぞ知るということか。
さしたる南国の花は咲いてなくても、路傍には帰化植物と見られる花が咲き、気温さえ上がればアゲハ、シロチョウ、マダラチョウ、セセリの仲間など蝶が乱舞し、写真などで確認できた蝶の種類は約90種と、夢が予期せぬ形で実現しました。
「ベトナム、万歳!!」 佐々木さんはじめツアー仲間に感謝、妻に感謝です。
支部報「カッコウ」2010年2月号より
