「餌付け」とは何か?
野生動物について興味がないよりある方がいいはずだ。はじめはそんな目で餌付けを見ていました。
しかし目の前で何かが狂いはじめました。職場近くの周囲約400mの池では、カモが少ないはずの7〜8月に30羽以上のカモが見られ、またカルガモがどんどん増えました。マガモの雄のうち何羽かは、ヒナ連れの雌を執拗に追い回し、何回も飛ばし、カモのヒナがいなくなるなんてことが何度も起きました。巣の前にパンを置く人や(卵が全滅)、本来昆虫食のヒナにパンをやる人もいます。餌付けには「けじめ・ルール」が無く、鳥の立場に立ってません。
調査の結果、パンは年300〜500kg。スナック菓子は14kg投入されていました。非結氷200日でパン一枚50gとし、一人2枚で10人の人が毎日来たとすれば、年間200kg!。実際はパンの量も人数ももっと多く、カモが少ないときでさえ、日曜なら午前10時から午後3時まで餌の人が途切れません。しかも餌付けは午前5時からあります。箱一杯の給食のパンの残り?を池に放り込む先生や、真っ青にカビたパンをあげるおじいさんもいました。これは「生ゴミを捨てている」のとはどう違うんですかねぇ?カラスが食べれば生ゴミ、カモが食べれば餌ですか?餌に来る種類、来ない種類、カモにもいますよね。
そう、餌付けは自然を汚し、鳥を「差別」します。
餌付けって何さ?。ほとんどの餌付けは「娯楽」だと思います。野生動物を愛玩の対象とするために、環境に余分な栄養分を放出し、そのうえ野生動物の行動に影響を与え、負荷をかけているのです。「娯楽」だからやめろ、とは言いませんが、環境への負荷は最少になるよう努力すべきでしょう。庭のエサ台には「マナー」がうたわれています、それに沿えばまだいい。
でも水鳥への餌付けは「無法状態」です。いつ、どこで、どれくらい、どんな餌をやっても、無責任でもいい、という認識が広がっています。
厚岸町ではハクチョウへ餌付けをしないように町が呼びかけています。
ウトナイ湖ではネイチャーセンターによる水鳥への餌付けが無くなりました。
天売焼尻で、フェリーからのカモメへの餌付けも、カモメのヒナへ対する害があるということで自粛が呼びかけられています。
今日、タンチョウへの寄生虫の問題が飛び込んできました。
ロシアではハクチョウがマガン繁殖地を圧迫しているようです。
でも、「餌をやるのはいいことだ、害なんてたいしたこと無い」これが一般に流布されている情報です。
私たちは「興味がないよりある方がいい」とその害に目をつぶってきたのかもしれません。餌付けする一人ひとりは、たいがい優しい気持ちをもっています。直接非難するのはいけないと思います。ですが、彼らの情熱は、近くで鳥を見たいという欲。鳥が自分についてくる快感。これらに根ざしており、自然のためという大義名分を口にしたとすればそれは自己欺瞞ではないか、とさえ感じます。
餌付けに関する記事が載れば、私への恫喝の電話が来るくらいですから。
餌付けについて社会的に論議するときが来たと思います。
私は直接的な餌は緊急対策でしかなく、自然環境そのものの復元を視野に入れない「娯楽・愛玩」餌付けには賛成できません。ましてや行政やこれに準ずる観光協会などが補助することは、悪い面を大いに助長すると思います。
皆さんは、どう思いますか?
