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Sapporo Chapter of Wild Bird Society of Japan

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鳥自慢より道具自慢!!

八戸野鳥の会々員 久保 益男

私が鳥を見始めてから十四・五年位しか経っておりませんが、きっかけはある事件が始まりでした!?

それまでは海釣りを主にしておりましたが、魚釣りは「駄目」と言われ、釣りが駄目なら家の小さな庭に来るスズメやカラス(当時知っている名前)を見るだけなら良いだろうと思い、生来の新し物好きが、よい道具が大事!と日本野鳥の会に入会し、双眼鏡を買い求めましたのは素人の恐ろしさ!!。その後、近くの川で知らない人から「カワセミが入って?いますよ。」と云われて望遠鏡で見せてもらいました。世の中にこんな綺麗な鳥がいるのかなと感動しましたが、買って間もない双眼鏡では役不足と、新発売になったばかりのN社製の大口径の望遠鏡を手に入れたのが、鳥自慢より道具自慢の始まりでした。

一流の道具を揃えても、見る鳥、見る鳥、珍鳥に見えて困ったものでした。仲間に鳥の名前を聞くと「前にも教えたでしょ」と呆れられておりますが、進歩がないのは歳のせいと諦めておりますので、何を云われても休みには近くの山や川や海に出かけております。

その後、鳥仲間に、「カメラで野鳥を写している人は沢山おりますが、ビデオで野鳥を撮影している人はいないですよ。」とおだてられて、これも発売になったばかりのS社製のDVビデオカメラ一式を買い揃え、野鳥のビデオ撮影を始めましたが、ビデオカメラを買ったのも初めて、写真の経験も無い素人が、道具は一流、腕は五流?と試行錯誤の連続で撮影を続けておりました。撮影済みテープも二代目のカメラと合わせて百五十本以上となり、あまり見る価値のない映像ばかりですが、青森県内の小川原湖々沼群の中で繁殖が確認された、カンムリカイツブリの親子をブラインドの中から半日かけて撮影し、公共放送に持ち込みましたが、残念ながら『ボツ』になった懐かしい思い出もあります。

巣と卵と雛が写っているので放送できないとのことでした。蕪島のウミネコの卵や雛は毎年ニュースの素材になっているのにと、担当の方も困っておりましたが、貴重な資料なので東京に送って保存しますと云われ安心しました。

今年の十一月には、ラムサール条約の登録地に指定されるのは確実と云われているほど、豊富な自然が残っている仏沼や小川原湖々沼群は、八戸市から車で一時間位の三沢市北部の太平洋側に面しております。オオセッカの国内最大の繁殖地『仏沼』には、コジュリン、オオジュリン、オオヨシゴイ、カンムリカイツブリ、サンカノゴイ、シマクイナ、チューヒ、オオジシギ等その他沢山の野鳥や、カラカネイトトンボ、ハラビロトンボ等貴重な生物の自然がそのまま残っています。その仏沼を写真やビデオの定点撮影、花、木、虫など皆で手分けして記録を残そうという話になりましたが、これから残す映像はハイビジョン撮影でなければならないと説得され、おだてられて、なけなしの財産を売り払い三代目となるS社製のハイビジョンカメラを買いました。本当は買わされたと云った方が正しい日本語かも・・・・?

鳥より道具に振り回された十数年でしたが、前の二台のビデオカメラも、パソコンも使いこなさないうちに更なる高度なハイビジョンカメラと、これから待ち受ける、ハイビジョン対応のパソコンに益々振り回されるのは、人生の悲劇ではなく、喜劇の始まりです。

おかげで、今までのDVテープの映像はロッカーに押し込まれ、新たな第一歩からハイビジョンカメラで野鳥の撮影をしなければならない現実が待っておりますので、歳をとる暇がなくなりました。DVテープの映像の時よりは、少しでも良いハイビジョン映像を次の世代に残すためにも仲間の協力を得て、これからも野鳥たちと自然を撮影し続けていきたいと思っております。

尚、仏沼の環境保全活動、啓蒙活動、地域社会との共生を目的に『NPO法人 おおせっからんど』を立ち上げております。ホームページも開設しておりますのでご覧いただければ会員として嬉しく思います。

ホームページ http://www.oosekka.com/

支部報「カッコウ」2005年7月号より