*

Sapporo Chapter of Wild Bird Society of Japan

Home

豊平川散歩

村山 実

原稿の依頼を受け、慌てて先月号の「鳥参上」を読み返し「オヤ?マア!」豊平川流域のお隣さんだと思い「何てたってリレーエッセイだから」と自分に言い聞かせて、もう一度豊平川を書かせてもらうことにした。

札幌豊平川北13条大橋の近く、100M位の所に住んでいるので何かにつけて豊平川に行きます。
春-河畔林が少しずつ明るくなり一気に芽吹き目の覚めるような新緑、夏-空を茜色に染め手稲山に沈む夕日、秋-堤防のコンクリートの階段で酒とつまみを広げての十五夜のお月見(堤防が市街地の明かりを少し遮ってくれる)冬は雪に覆われた堤防に長靴で登り白い手稲、神威、藻岩、恵庭の山々、黒く蛇行する豊平川。 堤防に立つと目線が変わるのか見慣れた普通の景色が小さな感動を与えてくれます。

去年の三月末、河川敷に雪が残る北13条大橋付近対岸の河畔林の際にカモメのようでカモメでない「いやに白い鴨がいるなあ…」と遠くを何気なく見ていると流れに沿ってだんだん近づいて来ました。見慣れない鴨で、ビックリ!1羽は胸から下が白く、もう1羽は茶髪のボサボサ頭、流れが蛇行し目前の流れの早い所を「白」は難なく下り暖やかな所でくるくる回り時々頭を水中に入れ魚を探すように泳いでいました。

「茶髪」は急流が怖いのか流れに乗れず足踏みの状態。白は「ナニヤッテンダヨー、ハヤクオイデヨー」と遊びながら待っている様子。茶髪は「コワイヨー、マッテテヨー」と言っている様でした。時間的には足踏みしていたのは数秒で急流を下り、また遊びながら下流へ遠ざかって行きました。

この様子を目の前で見てほほえましく(勝手に想像)珍しい鳥を見た驚きで、すぐ家に帰り図鑑で「白」と「茶髪」より、カワアイサ(川秋沙)-秋の早くに渡って来る鳥、と書かれており豊平川に「鳥参上」でした。それ以後会っていないが、その時のことはしっかり記憶に残っています。

豊平川を散歩して、翼の鮮やかな黄色を見せてくれるカワラヒワ、コンクリートの護岸を下半身を上下に揺すって歩くセキレイ、そしてイソシギもお尻を振り素早く歩き回り、河川敷では空に、草原に賑やかなヒバリ。数年前までは対岸の枯木に止まり信号機の音声と間違うばかりの澄んだ声を聞かせてくれたカッコウ、今では雁木の野鳥の森に行かなければ聞けなくなりました。

自転車のかごにビールと双眼鏡を入れて北十三条から雁木の森まで、のんびりサイクリング。森に向かうベンチで目と耳を澄ませます。散歩しながら鳥たちに「オーイ!元気?」と声をかけても鳥たちは「だんだん住みにくくなったよ」と言っているようです。

見慣れた鳥でも日常の景色にもその時々、季節によって変化を見せてくれる豊平川。身近にある小さな感動を味わっています。

支部報「カッコウ」2003年6月号より