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Sapporo Chapter of Wild Bird Society of Japan

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♪デイゴの花がきき(危機)〜♪♪

福山研二

ご無沙汰しております。久しぶりの登場です。先日、学会で札幌を訪ね、久しぶりに猿子さんを呼び出して飲んだら、彼が言うことには「いやー、昨日夢を見てサー、福山さんが出てきたんだわー。いやもー偶然だね、びっくりだね。天の助けだね。だから鳥参上の原稿書いて」と、脈絡のないお願いとなり、久しぶりにカッコーに原稿を書く羽目となってしまった。

といっても、最近は鳥さんとはご無沙汰で、焼き鳥屋くらいでしか出会わなくなっている。そこで、なんでも良いのかと聞いたら「なんでもいい。最近、堅い話ばっかだから」とのこと。そこで、最近の話題を一つお話ししよう。題して、「デイゴーの花がきき〜」なに、花が咲きの間違いじゃないかって。いや、いいのです。あの有名な島唄の出だしに似ていますが、今回は、その南の島、沖縄の県花でもある、デイゴに危機が迫っている話なのである。もっとも、デイゴの花は、多くの鳥の蜜源ともなっていることから、まんざら鳥に無縁でもないか。

それは昨年のこと、沖縄の竹富町役場の知人から、電話があった。彼とは、実は沖縄芸能での知り合いだったもので、てっきり東京で公演でもするのかと思ったら、あにはからん、竹富島のデイゴが虫にやられて、花が咲かないばかりか、枯れはじめている、なんとか防除はできないかという相談であった。実は、その虫はデイゴヒメコバチといい、アフリカからはるばるやってきた侵入害虫なのであった。被害が出始めたのは6年ほど前で、瞬く間に沖縄全域から奄美にまでひろがった。世界的にも東南アジア、台湾、ハワイにまで広がっている。

デイゴは、沖縄の県花である上に、竹富島では、重要なお祭り(種取り祭)を行う御嶽(うたき)に植えられている大切な樹なので、是非守りたいとのことであった。そこで、調べてみたら、良い薬があるが、とっても高いとのことである。竹富島には120本ほどのデイゴがあるので、200万円くらい費用がかかる。島民の人口が300人ほどなので、これはなかなか大変である。そこで、募金をすることとなり、全国に呼びかけた他に、チャリティーコンサートまで開催して資金を集めることになった。しかも、すぐにはお金がないので、公民館の基金から借金をして即座に実施した。害虫防除は時期が大切であり、これが、県や市などの公的なお金に頼っていたのでは、4月や5月には予算が使えずに往生するところであったが、市民の自主的な活動であったため、成功したと言える。一年後の今年の春、今度は、めでたく♪デイゴが咲き乱れ〜♪たのである。

ただし、この害虫は、防除をしてもいなくなるわけでないし、外来種なので、天敵がおらず、自然には収まらないので今後永続的に薬に頼らなければならない。げに、外来種は恐ろしい。

それでも、島の人たちは意気軒昂、続けていくことを誓い合っていた。こうしたことは、地元のやる気が一番大切だと言うことがよくわかった一件でもあった。みなさまも、是非募金にご協力を。
http://www.save-deigo.sakura.ne.jp/donation.html


デイゴヒメコバチで新芽が異常な形(むしこぶ)になったデイゴ


火炎の様な見事な花が咲くデイゴ。鳥媒花でもある。(撮影:喜友名朝次氏)

支部報「カッコウ」2011年4月号より