武蔵丘陵森林公園と私たちの会の活動について
6年程前から自然観察のために札幌を訪れる様になり、野幌の森林公園で野鳥や野草を観察したり、札幌支部の探鳥会に参加させて頂いたりしております。
北海道の自然は、やはり本州と比べると雄大そのもので素晴らしくとても勉強になります。
さて、私が活動しております国営武蔵丘陵森林公園を紹介させて頂きます。東京都内から電車で約1時間、埼玉県の比企丘陵に位置する国土交通省が管理運営する国営の都市公園です。
5月、武蔵丘陵森林公園は一年で一番輝くときを迎えました。
木々が柔らかな黄緑色から濃い緑に姿を変え、サクラやヤマツツジのピンクの花からカマツカやガマズミの白い花へと変わります。
アカマツ林ではハルゼミの鳴き声が響き、コナラの雑木林では子育てに忙しいエナガやシジュウカラが忙しく飛び交います。
近年都市周辺では少なくなってしまったキンラン、ギンランの花が咲き始めます。野草を盗掘からから守るために毎年ゴルデンウイークの連休には会のメンバーがパトロールをします。
公園では盗掘が年々減り、最近ではキンランなどの野草も増えて、野草観察を楽しんで頂けるようになりました。
私がこの公園を訪れるようになったのはもう20年以上も前にもなります。高野ツヤ子さん(故高野伸二先生夫人)との出会いがきっかけでした。その頃の公園は都市公園とはいえ自然環境が豊かに残され四季折々の野鳥や昆虫、野草が訪れる人の心を引きつける魅力的な公園でした。
春、スミレやアマナが咲く頃、水がまだ冷たい小さな水の流れに、トウキョウサンショウウオはドーナツ状の形をした卵のうを産卵します。
高野さんとのお話がきっかけとなり繰り返し公園に自然観察に出かけるようになりトウキョウサンショウウオの卵のうを見つけその生態を観察するようになりました。そんな時トウキョウサンショウウオの生息地では低木の伐採や草刈による環境の悪化が進みました。
1992年秋、私たちは保護のための活動を始め私たちの会を立上げました。故金井郁夫先生の助言や日本野鳥の会本部の協力を得てトウキョウサンショウウオの生息地を保全するために林地での草刈方法や落ち葉の確保などについて公園に提言を行いました。生息地の保全のために、公園からいろいろな対策を講じて頂けるようになり、今では毎年春になるとトウキョウサンショウウオの産卵が無事に行われるようになっております。
また他にも、近年東京近郊では減少してしまったクツワムシや国蝶オオムラサキの生息環境の調査をもとに公園と対話を重ね、園内の下草の刈り方を工夫するなど管理の仕方を改めるようにして頂いたことで、この15年間に多くの動植物の生息環境に改善が見られるようになりました。
私たちの会では、公園が主催する自然観察会に参加して生物について解説したり運営に協力する他、会独自の自然観察会を毎月開催し、多くの方々に公園の自然とのふれあいを通じて自然のすばらしさ、大切さを知って頂くように努めております。
これからも時々札幌には出かけてきて、各地の探鳥会にも参加させて頂き、いろいろと学んで会の自然環境保全活動に活かすように努 めて参りたいと考えております。
支部報「カッコウ」2008年6月号より
